kindaitsushinshisho

近大通信司書

図書館サービス概論14

図書館における相互利用について、その意義とともに説明してください。

 

 相互利用とは、図書館間の連携・協力体制のひとつであり、利用者の求める資料・情報を自館が所蔵していない場合に他館から調達して提供するサービスである。限られた情報資源の有効利用が促進され、図書館サービスの充実を図ることができるという大きな意義をもつ。さらに資料・情報に関する地域間格差の是正にも効果的である。

 相互利用には、①現物貸借、②文献複写があり、さらに利用者に他館を紹介することを含む場合もある。

①現物貸借

 対象は所蔵する図書のうち、貸出可能なものに限る。長所は書店で購入するより短い日数で利用者に提供できる点、購入費が節約できる点である。

 現物貸借の普及には、所蔵情報(横断検索)および配送制度の整備が不可欠である。

 私の住むXX市の場合、XX県立図書館の横断検索システムがあり、XX県内の市町村立図書館の所蔵する本であればXX市中央図書館に取寄せて閲覧・貸出サービスを受けることが可能である。

②文献複写

 対象は、新聞・雑誌等の記事・論文である。長所は、現物が残るため他の利用者の利用を妨げない点、返却不要であるため片道の送料で済む点、利用者は複製物を私有できるためいつでもその資料を活用できる点である。ただし、著作権への配慮が必要である。