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近大通信司書

図書館サービス概論20

 図書館の環境整備について、その意義とともに説明してください。

 

 図書館における環境整備は、利用者にとっては、快適な利用、また図書館にとっても効率的な図書館サービスの運営に欠かせないものである。

 つまり、利用者およびサービス対象者全体への準備的なサービスであるとともに、それ自体が閲覧サービスとしても重要な意義をもつ。

 以下に環境整備において配慮すべき具体的な事項について説明する。

①図書館サービスへのアクセス

 まずは目立つ場所に建てられていることや交通手段が整備されていること、分館(駅前のサービスコーナー・返却ポスト等を含む)の設置、さらに開館時間については夜間開館日・複数館で異なった休館日を設定する等が望まれる。

また非来館者のアクセス手段としてウェブサービスの充実がある。

②図書館内の構成

 利用者別コーナーの独立・混雑時への配慮・入口付近に受付を設置する等といった空間の区分と配置を工夫すること、図書館員の配置については必要時の速やかな支援・積極的なフロアワーク等が望まれる。

 収納効率や頻度を考慮して書架の配置方法を決定する、その他、雑音への配慮、空調、および照明(見やすさと落ち着きのバランス)への配慮が望まれる。

③図書館家具

 新聞専用の台や児童書の平置き棚等資料の形態に合わせた家具を配置し、またそれらのメンテナンス面への配慮も必要である。

④サイン計画

 サービスや各コーナー、資料へ迅速かつ的確に導く工夫は、利用者および図書館(員)双方の時間の節約と混雑の緩和(動線がスムーズになるため)につながる。

 このように、諸状況を想定し、また状況に合わせて変化させ工夫することで図書館サービスはより一層使いやすいものとなり、利用の増加に結びつく。