kindaitsushinshisho

近大通信司書

図書館情報資源概論16

図書館法における「点字・録音図書」の提供に関して、2009年6月に公布された「著作権法の一部を改正する法律」によってどのように変わったのか。改正前と改正後の違いを説明してください。

 

 インターネットの発達等により、健常者はますます多様な情報に簡単にアクセスできるようになる一方、障害者にとって、情報へのアクセスはまだまだ困難な状況にあった。この情報格差の解消を図るために定められたのが「著作権法の一部を改正する法律」である。

 改正前と改正後の主な違いは次のとおりである。

①製作主体の拡張

 主体が点字図書館に限定されていたが、公共図書館学校図書館などにも認められるようになった。(これにより著作者の許諾が不要となる)

②制作方法の拡張

 製作方法が録音図書の作成や放送番組のリアルタイム字幕の作成・送信等に限定されていたが、デジタル録音図書(デイジー図書)等の作成や、映画放送番組への字幕・手話の付与等、幅広い行為が認められるようになった。

③提供対象者の拡張

 提供対象者が視覚障害者・聴覚障害者に限定されていたが、発達障害者等も広く対象に含まれるようになった。