kindaitsushinshisho

近大通信司書

生涯学習概論07

OECD経済協力開発機構)によって提唱された「リカレント教育」とは、どのような教育ですか。またどうしてリカレント教育が、説かれたのですか。説明してください。

 

 はじめに「リカレント教育」の内容について説明する。

人生の過程を「自分を教育する時期」と「仕事をする時期」に分け、この2つの時期を必要に応じて生涯の間にくり返すことができるようにする教育方法である。

 次にリカレント教育が説かれた理由を説明する。

 OECDによるリカレント教育は、ラングランの「生涯教育」、つまり「生涯にわたって間断なく教育を行う」という教育方法はあまりに理念的すぎるという批判の中で、1つの提案として出されたものである。

 ユネスコOECDでは立場に違いがあり、それにより「教育」のとらえ方も異なる。

 ユネスコは加盟国に南北の格差問題をかかえる開発途上国を含む。そのため、教育問題においておのずと高い理念を掲げる必要があり、具体的な方策を示し難い。

 一方、OECDは加盟国が先進工業国である。そのため、教育問題に関して同質的に考えることができ、具体的な方策を示しやすく現実的になる。また、近代産業社会の行きづまりの兆候から脱工業化社会への移行について摸索中であったため、来るべき社会の「教育のあり方」についての問題意識が既に生じていたことも一因となっている。