図書館サービス概論10
ヤングアダルトサービスについて、他のサービスとの関連とともに説明してください。
ヤングアダルトサービスとは、対象別サービスのひとつであり、児童と成人の中間にあたる概ね12歳から18歳くらいの思春期にある青少年を対象とする。
ヤングアダルト(=YA)とは非常に独特の時期であり、その特徴として次のようなものが挙げられる。
・子ども扱いされたくないという気持ちや自意識が強くなる。
・一方で、社会との関わりにとまどいをおぼえ、また主体的に図書館サービスを受けるには未熟である。
・流行の影響を受けやすく、興味・関心が移り変わりやすい。
・勉強や部活が忙しくなり、図書館の利用率が下がる。
したがって、その年頃に特有の資料やサービスを提供することによって、心身ともに不安定なYA層を着実に受け止め、児童サービスから成人サービスへの移行をスムーズにする橋渡し役としての機能が求められる。
YAに向けた資料としては、学校生活や進学・就職、流行や趣味、恋愛等に関する内容が主なものとして挙げられ、ライトノベルやAV資料、時にはマンガ等が求められることもある。教育的観点から問題視されることもあるため、明確な選書方針に基づきながらYAの「今」を大切にしたきめ細かい選書を行う必要がある。
また、YAサービスでは彼らのための「居場所」の設置が重要な要素となる。彼らにとって図書館が居心地の良い場所となれば、自主性を尊重した参加型コミュニケーション等の様々な活動の展開が期待できる。