kindaitsushinshisho

近大通信司書

生涯学習概論03

1981年6月に中央教育審議会が「生涯教育について」を答申しました。この答申で、最も注目されたのは、「生涯教育」と「生涯学習」とを明確に区別して、定義したことです。このことについて説明してください。

 

 はじめに、この答申に示された「生涯教育」と「生涯学習」の定義および両者の関係を簡潔に説明する。

 「生涯学習」とは、人々の生涯にわたる主体的な学習活動である。

 「生涯教育」とは、この生涯学習を支えるために、学習意欲や能力を養い、社会の様々な教育機能(家庭教育・学校教育・社会教育)を総合的に整備・充実させようという考え方である。

 以前の政策は、「従来の社会教育活動の充実」にとどまっていたといえる。

 しかし、「生涯教育について」では、これまでの教育制度を生涯教育の観点から見直し、さまざまな制度の改革による生涯教育の具体的な実現と生涯学習活動支援を訴えた。

 その意義は、日本における今後の生涯教育行政政策を明確に示し、同時に主体が学習者にあることも明示したことである。

 さらにその後、「生涯学習体系への移行」を提言し、生涯学習の側からの改革という方向へ向かっていくこととなった。