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近大通信司書

情報資源組織論09

列挙型分類法と分析合成型分類法について、それぞれの特徴がわかるように説明してください。

 

 はじめに列挙型分類法について説明する。

 主題を表す分類項目をあらかじめ分類表中に用意(列挙)しておき、その中から資料(分類対象)の主題の構成要素に対応する分類項目を選び、そこに分類する伝統的な分類法である。

 長所は、階層性をもったツリー構造を呈するため、分類の論理が明解な点である。書架分類に適しており、実際に多くの図書館でこの分類法が採用されている。

 短所は、資料の主題の構成要素を必ず分類表のどこかに位置づけなければならず、精密な分類を施すことが困難な点である。

 『日本十進分類法』はこの分類法によるものである。

  次に分析合成型分類法について説明する。

 前述の列挙型分類法では複合主題をもつ資料に対応できないケースが増加したことにより、それを補うものとして考案された新しい分類法である。

 まず、各知識分野の下で、それぞれの分野の特性に応じたファセット(区分肢の総体)を分析・抽出し、それぞれのサブ・ファセット(区分肢)を分類項目として分類表に用意しておく。次に資料の主題分析を行い、主題の構成要素と分類項目を対応づける。そのうえで各分類項目を個々の知識分野であらかじめ決められた組み合わせの順序式にしたがって合成するというものである。

 長所は、複合主題をもつ資料であっても、主題の構成要素を正確に反映する柔軟な分類記号を与えられる点であり、書誌分類に適している。短所は、分類記号の組み合わせが非常に複雑になってしまう点である。そのため、実際の図書館での適用例はほとんどない。

 『コロン分類法』はこの分類法によるものである。