kindaitsushinshisho

近大通信司書

情報資源組織論レポート

カード目録の構成要素について、その概要を次の4項目に区分して述べてください。

1.記述(書誌記述) 2.標目 3.標目指示 4.所在記号

また、日本十進分類法(NDC)の特徴について説明してください。

 

 はじめにカード目録における4つの構成要素について述べる。

1.記述(書誌記述)

 記入の中心に位置する主要な要素である。定められた情報源より、転記の原則(タイトルと責任表示に関する事項、版に関する事項、出版・頒布に関する事項、シリーズに関する事項の4つは主観を交えず表示されているままに記録する)等の規則に従ってタイトルや版等8つの書誌的事項を正確に記述し、記述の対象となる資料の実態をできる限り忠実に表現する。記述の役割は利用者が目録を検索する際に、求める資料を同定識別する判断材料を提示することである。

2.標目

 記入の冒頭に位置する見出しである。目録内における配列位置を決定する第1要素となり、また利用者が目録を検索する際の重要な手がかりでもある。種類はタイトル標目、著者標目、主題(分類・件名)標目があり、1点の資料につき、アクセス・ポイントとすべき事項を一定の規則に従って全て抽出し、その数だけ記入を作成する。記入の排列を容易にするために、分類標目は分類記号すなわちアラビア数字で、それ以外はカタカナで表記する。

3.標目指示

 記述の下部に位置するカード目録に特有の要素であり、標目を作成する際に必要な標目を一覧できるようにした目録作業者のための事務的情報である。逆にどのような標目が作成されたかをたどることが可能で、対象資料が除籍になった場合の作業(標目指示に記載のある記入をすべて排除する)にも使用される。タイトル標目にはsの各略号が冠された数字がふられ、分類標目では丸付き数字がふられる。このとき、件名標目を除いてカタカナで表記されることとなる。

4.所在記号

 所在記号は記入の左端に記録し、同じものを対象資料の背ラベルにも添付する。資料は所在記号順に排架するため、代替物としてのカードから資料そのものにたどり着くための情報となる。書架分類記号と図書記号から構成され、補助記号や別置記号を伴うこともある。複数館の蔵書を対象とする総合目録では、資料の所蔵館を示す情報も必要である。

 次に日本十進分類法(NDC)の特徴について説明する。

 公共図書館学校図書館では100%に近い採用率で広く普及している日本の標準分類表である。また、日本図書館協会が常置の組織として委員会を設置し、その維持・管理を行っている。

 本表編(解説・第1~3次区分表・細目表)と一般補助表(凡例・形式区分・地理区分・海洋区分・言語区分・言語共通区分・文学共通区分)・相関索引編の2冊で構成されている。現在は機械可読版もある。

 はじめに本表の概要を述べる。

 分類体系として列挙型分類法を採用する。カッター考案の展開分類法を参考にしているが、第1区分の6を「産業」としており、ここに考案者の森清の独自性が表われている。第2次区分以降も「歴史」、「地理」における日本中心の項目設定、「宗教」の扱い等、日本固有の文化を重視する体系となっている。アラビア知識の全体を9区分して1から9までの数字を与え、どの区分にも属さないものや総合的・包括的な領域に0を使用して総記とし、合計10の区分肢を作る。これらを第1区分とし、それぞれの区分をさらに9区分と総記に分けて第2次区分とする。同様に10区分を繰り返し第3次区分が展開される。この第3次区分をさらに細かくした表を細目表という。この細目表がNDCの本体であり、分類作業をする際のツールとなる。単純明快で階層構造を形式的に理解しやすく、記号の展開性に富んでいる点がKの十進分類法の優れたところである。

 次に補助表について述べる。

 列挙型分類法は主題を表す分類項目をあらかじめ分類表中に列挙しておき、その中から資料の主題に対応する分類項目を選び、そこに分類することを基本とするものである。しかし、実際には全ての主題を網羅することは不可能であり、細目表で表現しつくせない場合に補助表を用いて記号を合成するという現実的な対応を行っている。

 一般補助表と固有補助表の2種類がある。

 最後に相関索引について述べる。

 本表では観点や分野によって分散してしまう主題を、これによりひとつに集中させる仕組みをもっている。索引語に丸かっこで付された限定語によって観点が示される。よく検索される合成語については、その便宜を考慮して双方から検索できるようにしている。

 

〈参考文献〉

 

※講評:ほぼポイントを押え、自分の言葉で出来るだけ表現しようと努力されている点が評価できます。改善すべき点は文中を参照してください。今後は結論部分にも力をいれてください。

・同定識別:用語の説明があればなおよい

・標目:典拠コントロールについて、触れられておられません。各種類について簡単な説明を。

・列挙型分類法:その特徴について具体的に論述をココでふれた方が良いと思います。

・十進記号法:長所だけでなく短所(問題点)にもふれてください。(阪下先生)