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近大通信司書

情報資源組織論19

書誌コントロールとはどのようなものかを示すとともに、活動の実例を2つ挙げて説明してください。

 

 「書誌コントロール」は、広範な事象を含む用語であり、簡潔に定義するのは難しいが、「情報資源組織活動の総称」であるといえる。

 また、国際的規模を含むレベルでの「標準化」を目指すものであり、単位レベルと複合レベルに分けられる。単位レベルとは、個別機関内での活動である。複合レベルとは、機関を越えた地域・国・国際レベルが考えられる。

 複合レベルでの書誌コントロールの内容は2つの側面に整理できる。ひとつは書誌情報の網羅的な作成・流通、もうひとつは書誌情報にかかわる規則の標準化である。

 ただし、単位レベルであっても、常により大きな規模での書誌コントロールを意識する必要がある。

  次に書誌コントロール活動の実例を2つ挙げる。

 ①『日本全国書誌

全国書誌の一例として、『日本全国書誌』がある。

法的納本制度により納本されたものと寄贈・購入などにより収集したものを整理して、国立国会図書館が作成し、現在はホームページ版の網羅的な書誌情報を国内外に提供している。

 ②国際図書館連盟(IFLA

 IFLAは2つの活動を推進している。

 ひとつは書誌情報にかかわる規則の世界的な標準化を目指す「世界書誌コントロール(UBC)」である。記述の規則は国際標準書誌記述(ISBD)として実現している。

 もうひとつは「出版物の世界的利用(UAP)」である。各国の国立図書館が自国の収集について責任をもつこと、また書誌情報にかかわる規則の標準化も必須条件となる。文献の全世界的な相互利用は、現実には政治・経済の壁にはばまれ、容易でない。しかし、究極の目標であるUAPの活動が単なる理想に終わってはならない。