図書館サービス概論12
(※この問題が出題され、合格できました。)
障害者サービスとは何か、その意義とともに説明してください。
(1)障害者サービスの意義
障害者とは、視覚・聴覚障害等の身体障害者のみならず、知的障害者やその他「何らかの理由で図書館サービスを利用するのが困難な人々」と定義できる。
公共図書館の使命は、このような人々も含めたすべての地域住民の知る権利・学ぶ権利を保障することであり、彼らの利用を阻む障壁を可能な限り取り除くための努力・配慮こそが図書館における障害者サービスの意義である。
(2)障害者サービスのための資料
(1)で挙げた意義を実践するための資料には様々なものがあり、次のように整理できる。
①視覚障害者のための資料
点字資料・録音資料・拡大資料
②聴覚障害者のための資料
字幕付き動画・手話付き動画
③障害児のための資料
布の絵本(布製でボタンやヒモ、マジックテープがついており遊びながら手指の訓練ができる)・さわる絵本(多様な素材から構成され触り心地を楽しむ)
④DAISY図書(=Digital Accessible Information System:アクセシブルな情報システム)
データの加工やランダムアクセスが可能である等の長所をもつ。もので、音声DAISY・テキストDAISY・マルチメディアDAISY等がある。
⑤障害者のためのネットワーク情報資源
「サピエ」(=視覚障害者情報総合ネットワーク)では、デジタル化された点字データや音声図書が利用できる。
(3)障害者サービスの内容
はじめに利用環境の整備を挙げる。誘導用ブロックや手すり、スロープ等の設置や車椅子に配慮して書架の間の通路の幅を広くする等が求められる。
カウンターワーク・フロアワークでは、障害者特有の問題を的確に察知し、手話や筆談等によるコミュニケーションを図ることが求められる。また、こうした支援を積極的に行う姿勢(耳マーク等)を明確に示しておくのがよい。
また、対面朗読(利用者の希望する資料等を朗読するもの)、点訳も重要なサービスであり、ボランティアや福祉施設との連携を整備する必要がある。
さらに来館が困難な人々のための館外におけるサービスとして宅配・郵送貸出・施設訪問等細やかな対応が求められる。